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水質について


   比 重
   pH
   ORP
   水の硬度
   Q&Aコーナー



  比 重


海水の比重は1.023です。
この比重とは何かといえば塩の濃さのことですね。
水に塩が溶け込んでいるものが海水ですからそうなります。
淡水魚は海水では生きていけません。
なぜでしょう。
淡水魚はしょっぱいのが苦手だからでしょうか。
多分違うと思います。
生物というのは、先祖代々住み慣れたところが一番生活しやすくなってしまいます。アンモナイト
何億年何千万年の昔に先祖がある場所に住み始め、より住みやすいところへと移動して今の場所に住んでいるわけです。
移り住んだところでうまく生活できなかったものは死んでしまい、うまく適応できたものだけが生き続け、適応できなかったものは絶滅してしまったのです。
そのため海には淡水魚はまったくいないで、川湖には海水魚はいないのです。
でも適応できれば両方に住むことはできるのです。
うなぎだとか鮭などは海と川を行ったりきたりすることができます。
これらの魚は淡水の比重と海水の比重の両方に耐えられるように体が作られてしまっているのです。
また、川と海の境の辺を汽水域と呼びます。
この汽水域の比重は水の比重の 1でもなく海水の比重の 1.023でもありません。
日により時刻により比重が変わってしまいます。
このような場所に適応したふぐなどの魚もいます。
先祖代々海水以外で生活したことがないという魚は、1.023の比重に敏感で、比重が違うと体の調子を落としてそのうち死んでしまいます。
人間の場合、1気圧の空気の中で生活をしています。
先祖代々そこで生活をしてきたので 1気圧に適応しています。
その私達がエベレストのような高い山に登ると、気圧が低いため高山病になってしまいます。マチュピチュ
反対に深い海の底に潜ると、気圧が高いため潜函病になってしまいます。
私達は 1気圧に適応しているので、気圧が変わると適応できないため体の調子を落としてしまいます。
でも私達が調子を落とすような高い山の上である、アンデスの山の上で普通に生活している民族もあります。
この人たちは、低い気圧に適応してしまっているのです。
私達地上で生活している生物は、気圧に適応できれば生きていけますが、魚は水の中で生活している生物なので、気圧のほかに比重も問題になってくるのです。
適応するとはどういうことかといいますと、細胞が活動できるということです。
どの生物も小さな細胞の集まりで成り立っていて、細胞の一つ一つが動いているから生きているのです。
心臓の細胞が動かなくなれば、心臓麻痺で死にます。
脳の細胞が動かなくなれば、脳が麻痺して死んでしまいます。
適応できなくなると、うまく動くことのできない細胞が出てしまいます。
その部分が病気といわれる部分です。
そして、その部分が増えると重病となり、さらに進むと死んでしまうことになるわけです。
人間が何人かで高い山に登っていったとき、ある高さで全員一斉に病気になるわけではありません。
適応できない人から、順に病気になっていきます。
かなり適応できる強い人もいます。
直ぐ参ってしまう弱い人もいます。
魚も同じで、比重の変化に弱い魚もいますし強い魚もいるのです。
私の場合、海水魚を飼い始めたころは、どの魚も長く生かせておくことができませんでした。
そのため比重の変化に気をつけて、いつも正しい比重となるように努力していました。
水槽の水が蒸発して塩分が濃くならないように、水槽の水を交換するときは、古い水と新しい水の比重がぴったり合うようにとても注意を払っていました。
でも今はあまり気にかけていません。
多少の比重の変化は、どの魚も適応力があると思っているからです。
海水魚を淡水で飼うような無茶なことをしない限り、多少海水の比重が変わったとしても、その程度ではほとんどの魚が死なないと思っているからです。
比重については、だいたい 1.023近辺にしておけば、多少比重が上がったり下がったりしてもほとんどの魚は影響なく生きていけると思います。
海水魚が病気になったときに、淡水に 5分程度入れて治療する淡水浴という方法があったりするのですから。



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  pH


ピーエッチと読むようですが、以前はペーハーと言っていました。
酸性とアルカリ性のことでその中間が中性でしたね。
酸性とは何でしょう。
アルカリ性とは何でしょう。
これは、あるものが水に溶けているとき、水の中に水素イオンや水酸化物イオンがどのくらい発生しているかのことです。
水の分子は H2O ですが、純粋な水の場合は水素イオンと水酸化物イオンにはなりません。
だから水は中性です。

ここに何かの物質が混ざると 水( H2O )の一部が H+OH- に分かれることがあります。
H+ を水素イオンといい、OH- を水酸化物イオンといいます。
水に水素イオンと水酸化物イオンが混じった状態ができて、溶けてる割合が水素イオンが多くなったり水酸化物イオンが多くなったりします。
水素イオンの比率の方が高い状態を酸性といい、水酸化物イオンの方が高い状態をアルカリ性といいます。
水は水素イオンが多いとすっぱくなり、水酸化物イオンが多くなると苦くなります。
水素イオンと水酸化物イオンが半々で混じっている状態は中性です。
水素イオンと水酸化物イオンがたくさんあっても、同量ずつなら中性ですし、どちらもまったく無くても中性です。
水素イオンだけの状態からだんだん少ない状態、そして水素イオンと水酸化物イオンが同量の状態、少し水酸化物イオンの方が多い状態、水酸化物イオンだけの状態と並べてその間を14等分したものが pH です。
pHは数字が小さい 0〜6までを酸性といい、pH7が中性、8〜14をアルカリ性といいます。
pH 0 は強酸性で pH14 は強アルカリ性です。pH図
普通 pH7 近辺の 6〜8 あたりを中性としていて、5〜6 あたりを微酸性、4〜5 あたりを弱酸性としています。
アルカリ性側は pH8〜9 あたりを微アルカリ性、9〜10 あたりを弱アルカリ性としていることが多いようです。

呼び方としての中性とか弱酸性とかの範囲は決まったものではなく、分野によって範囲は違っているようです。
私達人間の皮膚は弱酸性といわれていて、pH でいうと pH5 くらいなのですが、左図のように男女により人により、健康状態などにより pHは違っています。
皮膚は体を守る部分で、私達の体を攻撃してくる黄色ブドウ球菌等の細菌を退治するために酸性になっています。
酸は細菌を退治する力があります。
体を守る部分としては、食べ物からも細菌の攻撃を守る必要があります。
食べ物と一緒に体の中に入ってくる細菌を退治するための胃液は、pH2 くらいのとても強い酸です。
私達の体自体は微アルカリ性で、pHでいうと 7.35〜7.45 程度に維持されているときが健康な状態にあるときです。
調子を崩すとこれより酸性になったり、これよりアルカリ性になったりします。
体を攻撃してくる細菌はアルカリ性のものを好み、タンパク質を溶かして分解していきます。
そのため微アルカリ性である体は、細菌の攻撃を受けることになり、これをを守るために要所要所で酸で退治しているのです。
人間に限らず生物は皆、体を守るものを持っていてこの範囲からこの範囲の中なら健康を維持していけるという許容範囲があります。
生物にはこの範囲を逸脱しないようにコントロールする仕組みが備わっていて、この仕組みのことをホメオスタシス(恒常性維持機能)と言います。
ホメオスタシスが正常に働いているうちは、人間も魚も適正な pHを保つことができ健康状態でいられますが、この範囲から外れてしまうと病気になってしまうのです。
人間や陸上生活生物は水に触れて生活しているわけではないので、水の pHは関係ありませんが魚など水中生活生物は水の pHも影響してきます。
海水魚の海水に対する適正 pHは 8.1〜8.4くらいといわれていて微アルカリ性です。
海水は魚自身ではないので、自動的にホメオスタシスが働くわけではないので、pHが適正値から外れていけば即魚は体調を崩していくことになります。
海水の pHが適正範囲に収まっていれば、病気が出ないで健康に育てられるということになります。
この範囲を超えてしまうと、弱いものから順に病気になって死んでいってしまいます。
それでも pHが徐々に変わっていった場合は、魚はかなりその pHに適応していけるものですが、急に違う pHに変わるとほとんどの魚が耐えられず病気になってしまいます。
急に pHの違う海水に移したとき魚の調子がおかしくなることをペーハーショックといいます。
ペーハーショックを起こすと魚は上下左右に狂ったように泳ぎ回ります。
一度はこのような光景を見たことはありませんか。・・・・・・・そして死んでしまいます。
魚を買ってきて水槽に移すときに水合わせをしなくてはならないのは、ペーハーショックを防ぐためです。
海水魚ショップの水槽の pHと自分の家の水槽の pHはかなり違っていることが多いものです。
そのため新しい魚を入れるときは水合わせが必要です。
水合わせ水合わせの方法は簡単です。
必要なものはバケツと、エアーポンプで空気を送るときに使うエアーチュブだけです。
水槽の横にバケツを用意して、新しい魚を今まで魚を入れてきた海水ごとバケツの中に入れます。
次にエアーチューブを使って、サイホンの原理を利用して水槽の水を少しずつバケツの中に足していきます。
バケツの水が一杯になったら終わりです。
水槽からの水はポタポタ程度に落ちていくくらいにチューブをつまんだりして調節します。
魚だけをすくって水槽に移し、バケツの水は捨てます。
普通は新しい魚を入れてきた水の温度と水槽の温度が違っていることが多いので、水合わせをする前に 10分くらい魚を入れたビニール袋を水槽に浮かべて温度を合わせておきます。

水槽の中の pHは今どれくらいなのかを調べるためには、pHメーターが必要になります。
pH8.1〜8.4 くらいが最適だと知っていても、それを測るメーターが無ければ良い状態なのか悪くなっているのか解りません。
pHを知る方法は pH試験紙、pH試薬を使う方法と pHモニターを使う方法があります。
試験紙、試薬は1,000円程度ですが、モニターは14,000円位します。 テトラテスト pHマリン
お金の都合が付かない傾向にある私の場合は、安い pH試験紙で調べてみましたがうまく判定できないため、pHを調べるということを止めてしまいました。
上級者の方々は、高い pHモニターを使って正確に pH管理しているものと思います。
水槽の水は定期的に入れ替える必要があるとされていますが、入れ替えるときは全部を入れ替えるのではなく 1/3〜1/4にしなくてはなりません。
これは魚が pHショックを起こすことを防ぐ意味もあるのです。 pHブロックpHを計測し続けて pHを安定させていくのは、上級者にとっては楽しみの一つかもしれませんが、初級者にとっては難しく大変なことになります。
pHの維持管理にそれほど手間をかけたくないという人のためには、pH安定剤というものがあります。
これは水槽の中に入れておくだけで pHを 8.2 に調整してくれるという便利なものです。
面倒なことが苦手な私が喜びそうなものです。

新しい水の pHはいくつかといいますと pH5.8〜8.6のどこかです。
普通、水槽に入れる海水は、水道水に海水の素を溶かして作っていますが、水道局の決りで水道水は必ずこの pH内に入らなくてはならないことになっているからです。
水道水の源泉になっている地方の川や湖によって、水の中に溶けているものはまったく違っているため、何処の水道局かによって水道水の pHは大きく違っています。
中には自然の海水を使える恵まれた人もいると思いますが、天然海水の pHは 7.6〜8.3 です。
水槽に新しい水を入れると最初の pHはだんだん日を追うごとに下がっていきます。
魚などの生物は、酸素を吸ってエネルギーを作り二酸化炭素を吐き出しています。
魚などの大きな生き物に限らず、目に見えない微生物や藻やコケなども酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しています。
水槽の中に生物がいれば、二酸化炭素が次々作られていき、これが水に溶けて炭酸になります。
炭酸というのは酸なので、水は酸性になり pHの値は下がっていきます。
炭酸というのはコーラやソーダ水のことで、下からぶくぶく泡が出てくるあれです。
味はすっぱい味がします。
ぶくぶくは気体となった二酸化炭素で、これが空中に出て行ってしまうと残った炭酸水の味はすっぱくなくなります。
そして水は中性に近づいていきます。
水槽でも、水に含まれた炭酸をエアレーションしたりかき混ぜたりすると、炭酸が炭酸ガスに変わり空中に抜けていきますので、水が酸性になるのを防ぐ効果があります。
私は pHの管理をしていませんので、自分の水槽内の pHがいくつなのか知りません。
そのため pHが下がるのを抑えるために、強いエアレーションをするようにしています。
水換えも 1ヵ月に1回、定期的に 1/4の量行うようにしていましたが、期間を延ばしても影響が無いため現在は 2ヵ月に1回の割りに伸ばしました。



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  ORP


英語の Oxidation Reduction Potential のことで、日本語では酸化還元電位といい、単位は mVです。
初心者の私には必要としない指標ですが、上級者になると関心がもたれてくるものです。
上級者の多くの人が、サンゴなど水質の変化に弱い生物を飼育しているためその必要性が高まります。
私のような初心者は、水質変化の影響を受けにくい普通の魚を飼育しているので、全く気にしなくても長期飼育できてしまいます。
またベテランのみんなが調べているからという理由で、上級者でもよく解らないまま計測を続けている人も多くいると思います。
ORP計はパソコンに接続して、数値を時系列的にグラフ化して観察できる機種もありますので、いかにもハイレベルな飼育をしているという気持ちにもなれるものです。orpメーターのパソコン画面
ORP(酸化還元電位)というのは、測定対象の水が、酸化する能力が高い水なのか、還元する能力の高い水なのかを表したものです。
ORPを調べる ORP計は、基準電極と作用電極との電位差を測定しています。
pHを調べるとき使う pHメーターと ORPメーターは構造的には同じもので、作用電極に白金を使ったものが ORPメーターで水素イオン選択ガラスを使ったものが pHメーターです。
pHと ORPの違いは、水溶液の水素イオン濃度だけを計測したのが pHで、水素イオンだけではなく全部のイオンを計測したものが ORPです。
そして ORPメーターは計測した電圧をそのまま表示していますが、pHメーターは計測された電圧を指数に換算して表示しています。
pHは 0〜14 の数値で示されますが、ORPはプラスの数値になることと、マイナスの数値になることがあります。
プラスの数値が高いほど酸化させる能力の高い水となり、マイナスの数値が高いほど還元させる能力の高い水となります。
酸化とは、物質に酸素が化合される反応のことで、鉄が酸化されると鉄サビ(酸化鉄)になりますし、紙が燃えることは紙が酸素と反応して酸化され、二酸化炭素と水になることです。
食べ物は体の中で、呼吸から得た酸素で酸化され、二酸化炭素とエネルギーに変化しています。
還元というのは酸化の反対で、酸化物質から酸素が外される反応のことで、溶鉱炉で酸化鉄から鉄がつくられることですし、光合成で二酸化炭素から酸素が除かれて炭水化物がつくられることです。
物質を酸化させる酸素を酸化体といい、酸化される前の物質を還元体といいます。
還元体の鉄は、酸化体の酸素に酸化されて酸化鉄になり、還元体の紙は酸化体の酸素に酸化されて二酸化炭素になり、還元体の炭水化物は酸化体の酸素に酸化されて二酸化炭素になります。
世の中で起こっている化学反応のかなりの部分が酸化反応か還元反応なのです。
ほとんどの生物が酵素の触媒作用によって、食べ物を酸化反応させて生命活動をしています。
では、水槽の中で ORPを調べると何が解るのでしょうか。
ORPがプラスで数値が高いということは、酸素が充分にある状態で、水槽の中に還元体があればそれを酸化させていく力が大きいということです。
水槽の中の還元体といえば魚の糞、食べ残しのえさ、生物の死骸などですから、これらを酸化させるバクテリアが活発に働ける環境にあるということです。
反対に ORPが低いということは、水槽の中に還元体があってバクテリアがいても酸化活動があまり行われず、アンモニアが酸化されて硝酸に変えられずらいということになります。
魚自身も生命活動(酸化活動)できなくなるので、エネルギーは作られず、新陳代謝ができなくなり、病気になり死んでいくことになります。
ただ、酸素は多ければ良いというものでもなく、多すぎると生物の細胞を破壊する作用がありますので ORPは適正なものにする必要があります。
海水魚飼育の場合どれくらいの ORPが適正なのかというと +350mV〜+400mVくらいが良いと言われています。
ただ ORPは +300mVの状態だと調子を落とすから +350mVに上げなくてはならないというものではなく、+300mVでも充分うまく飼育できます。
魚もサンゴも +300mVで順応すれば何の不具合もなく生きていけますが、+350mVから +300mVに急変してしまうとダメージを受けてしまいます。
魚が死んだりすると急に還元体が増えることになり、ORPが低い状態だとバクテリアの酸化活動が間に合わなくなり、アンモニアの発生が生じてしまいます。
ORPが高ければ、バクテリアの酸化活動が活発に行われるので、アンモニアは直ぐに酸化されて硝酸にされてしまい、危険な状態にならずに済みます。
還元体が急に増えるということが起きなければ ORPはそれほど高くすることにこだわらなくてもよいのですが、そのようなことが起こった時のことを考えたら、なるべく高い数値にしておいた方が安心です。
特に水質変化に敏感なサンゴなどを飼育している場合は、何か異常が起きたときには ORPが下がって、水質の変化を知ることができますので ORPは有効な数値となります。
ORP の数値が高いということは、栄養塩などが少ない水の状態で、水質を悪化させる還元体が生じてもすぐに酸化されて水質が保てる状態にあるといえます。
ORPの数値が低い場合は、栄養塩が多い水の状態で、バクテリアの酸化活動が追いついていない状態です。
このようなときはバクテリアを増やすか、栄養塩を除くかしなくてはならない状態にあるといえます。
サンゴなど水質変化に弱い生物を飼育していく場合には、ORPは +400mV前後と高めにしておく方が水質は安定を保てます。
自然界の海の ORP値は平均して +350mVくらいです。
水槽の海水を作るための水道水の ORPはというと、バラツキがあって +300mV〜+750mVくらいです。
きれいな水源の水で作られている水道水は、塩素の量が少なく低い数値ですが、汚れた水源の水道水には多量の塩素が投入されていて ORPの数値は高くなります。
水道水を使って飼育水を作るためにはハイポなどを使って中和していますので、水替えの時に入れる新しい水はこの数値より低い ORP値になります。
状態の良い水槽で水替えをすると一時的に ORPが下がって、そのうち上昇していく場合が多いものです。
また、ORPは飼育している魚の数が多いと低くなっていきますので、まだ魚を増やせるかどうかの判断に役立つ指標ともなります。

ORPを調べるもう一つの目的は、脱窒がうまく行われているかどうかを知るときです。
脱窒菌は通性嫌気性細菌のため、酸素が充分にある環境では脱窒を行いません。
反対に酸素が全くない環境では死んでしまいますので、もちろん脱窒は起きません。
酸素がほとんどない環境になって初めて、脱窒を行うバクテリアです。
酸素があるのかないのか見ていてもまったく解りませんが、ORPメーターで測定することにより知ることができます。
酸素がない状態とは還元状態になることで、ORPメーターの値がマイナスを示したときがそうです。
マイナスの数値が大きいほど酸素がない状態で、-420mVでは完全無酸素状態になります。
脱窒菌は ORP値がプラスのときは脱窒を行っていませんが、 -50mVくらいから脱窒をはじめ -200mVくらいまでの環境で硝酸呼吸して窒素を発生します。
-200mV以下になると脱窒をやめ休眠状態になり、代わって硫酸還元菌が硫酸呼吸をして硫化水素を発生させます。
さらに -300mVくらいになると硫酸還元菌も活動をやめ、代わってメタン生成菌がメタンを発生させます。
水槽内ではライブロックの内部や底砂の奥で脱窒は行われます。
ライブロック内 ORPは測ることができませんが、底砂の中で行われている脱窒の状況は底砂に ORPメーターの電極を差し込むことで調べることができます。
差した深さにより ORPの数値に違いが出たときは、この深さでは脱窒が行われている、この深さでは脱窒が行われていないということが調べられます。
脱窒槽を設けて脱窒を行わせている場合には、脱窒槽に流入する水量を調整することによって脱窒のコントロールをすることができます。
脱窒槽の流出側に電極を設け、流出してくる水の ORPを測定していくことで、脱窒の進行度合いを把握することができます。
脱窒槽をセッティングすると、はじめはプラスの値を示していた ORP値はだんだん数値が下がっていきます。
-50mVくらいから脱窒が始まり -200mVくらいの数値まで脱窒が行われます。
ORPが -100mV〜-200mVになるように流入水量を調節出来ていけば脱窒がうまくいっていると考えられます。
ORPメーターは脱窒を考えたシステムを作っている場合には、脱窒の状況を知るための有効なメーターとなります。


miniORPモニター pHメーター PHモニター P−2 正確な比重が調べられます。 比重、温度、塩分濃度を調べられます。 水の不純物濃度を調べます。  LSSウォータースティック ORP



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  水の硬度


水の硬度は私のように初心者であり続けるうちは、何も気にしなくても、何も知らなくても海水魚を飼い続けることができるものです。
でも初心者の多くは、今は初心者でもいずれ中級者になって、さらに上級者になろうとしていると思います。
初級者は知らなくても済むものでも、硬度について理解して管理していかなくては中級者、上級者になることはできません。
中級者、上級者と初級者の違いは何かというと、初級者は飼いやすい魚だけしか飼育し続けることはできないのに対し、
中級者、上級者は、飼うのが難しい生き物を飼う、珍しい生き物を飼う、サンゴなど無脊椎動物を飼う、ベルリンシステムなどナチュラルシステムで飼育するようになります。
そうするためには正しい知識を得て、きめ細かな管理をしていかなくてはできません。
その知らなくてはならない知識の一つが硬度です。

硬度とは総硬度(GH)のことです。
GHは General Hardness のことで硬度試薬メーカーによっては、全硬度(TH) Tortal Hardness という呼び方をしています。
硬度は水に含まれているミネラルの量を表している指標ですが、水に含まれているミネラルは量的にはほとんどがカルシウムで、次に多いのがマグネシウムのため、この二つのミネラルだけを量って総硬度としています。
硬度は世界的には単位が統一されてなく、アメリカ硬度、ドイツ硬度、フランス硬度、イギリス硬度があります。
日本は、昔はドイツ硬度を使っていましたが、現在は多くの国で使われているアメリカ硬度を使っています。
でもアクアリウムの世界ではアメリカ硬度を使うことは少なく、未だにドイツ硬度が使われています。
アクアリウムが日本に伝わってきた時、ドイツのテトラ・ベルケ社の製品とノウハウによって日本中に広められ、この会社のやり方が定着したままのため、硬度についてはドイツ硬度のままなのです。

アメリカ硬度は
水1リットルに含まれているカルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウムの量に換算して表したものです。
単位は mg/Lですが ppmと表示されていることもあります。

 硬度mg/L = カルシウムの量mg/L × 2.5 + マグネシウムの量mg/L × 4.1

ドイツ硬度は
水 0.1リットルに含まれているカルシウムとマグネシウムの量を酸化カルシウムの量に換算して表したものです。
単位は °dH(度)です。

硬度は水の硬さのことですが、水の硬さとは何でしょうか。
水は硬いと、物を固くする性質があるそうです。
硬い水で豆を煮ると固く煮上がり、石鹸の泡立ちは悪く汚れが良く落ちなくなり、肌の弱い人は洗顔で肌荒れを起こしやすく、飲むと下痢になりやすいのです。
軟らかい水だと、お米はふっくらと炊け、石鹸の泡立ちが良く、コーヒー、お茶がおいしくなり、肌にやさしく、下痢は起きません。
硬度は水に含まれているミネラルの量によって高くなったり低くなったりします。
ミネラルが多く含まれている水は硬水と呼ばれ、含まれている量が少ない水は軟水と呼ばれます。
日本の水は軟水がほとんどなので、日本では硬度はほとんど問題になりません。
でもヨーロッパの水は硬水が多いので、地域により飲み水に適さない水であったり、石鹸で汚れを落とせなかったりと支障が生じることがあります。
そのためヨーロッパでは硬度の研究が進められ、硬水を軟水に変える方法などが考えられていきました。
アクアリウムの世界はヨーロッパで進歩していきましたので、ヨーロッパ的な考えが基本になっています。淡水魚
最初の頃は海水魚は飼われてなく、淡水魚の飼育方法が研究されていきました。
アマゾン川の軟水域に生息する熱帯魚を飼育するのに、ヨーロッパの硬水では飼育できませんでした。
そこで硬水を軟水に変える方法とかが研究され、発展していきました。
淡水魚を飼育するときはどこの河に棲んでいたのか、どの湖に生息していたのかなど、その地域の水の硬度が大きく関係していたのです。
海水魚飼育の場合は、水道水に海水の素(多種類のミネラルを配合したもの)を混ぜて硬水をつくっています。
世界中の海水の成分は、川や湖などと違いほとんど変わらないため、海水魚は全て同じ硬水に棲んでいるのです。
海水をつくるとき、水道水にもともとミネラルがたくさん含まれていると、その分濃い海水が作られることになりますが、日本の水道水に含まれるミネラルくらいではほとんど影響がありません。
だから初心者は硬度のことを気にすることなく、海水の素で海水をつくれば海水魚を飼育できてしまいます。

総硬度(GH)と名前が似た指標に炭酸塩硬度(KH)というものがあります。
GHと KHで表示されることが多いので同じようなものと思う人が多いと思います。
言葉としても両方とも硬度となっていますので普通、両方とも硬さに関係する指標と思ってしまいます。
でも硬さを示しているのは GHの方だけで、KHは硬さとは関係ない指標です。
紛らわしいネーミングなので、炭酸塩硬度は名前を変えた方が良いように思えるのですが‥‥‥‥
でもこんなネーミングになってしまったのには訳があります。
ヨーロッパで発展したアクアリウムですが、硬水を軟水に変える研究がされました。
硬水を煮沸すると軟水に変えることができるということが解りました。
その時解ったことがあります。
硬水には、軟水に変えることができるものと軟水に変らないものがあるということでした。
そして、軟水に変えることができる硬水を一時硬水と名付け、変えられない硬水を永久硬水と名付けました。
カルシウムもマグネシウムも水に溶ける前は、炭酸塩や珪酸塩などの塩の形で存在しています。
塩の形であったものが水に溶けると、プラスのイオンのものとマイナスのイオンのものに分かれるのです。
この状態を電離した状態といいます。
例えば、炭酸塩である炭酸カルシウム( CaCO3 )が炭酸ガス( CO2 )と共に水に溶けると、カルシウムイオン( Ca++ )と重炭酸イオン( HCO3- )に電離します。

  CaCO3 + CO2 + H2O → Ca++ + 2HCO3-

このように炭酸カルシウムが水に溶けるとカルシウムイオンができますが、炭酸塩以外でも水に溶けるとカルシウムイオンになるものに、塩化カルシウムとか硫酸カルシウムなどもあります。
そして水を煮沸すると、炭酸塩から作られたカルシウムイオンは上の式の矢印が逆になり、炭酸カルシウムとなって析出します。
水の中のカルシウムイオンが減るので、硬度が下がり軟水に変えることができるというのです。
一方、炭酸塩以外の硫酸カルシウムなどは析出しないので硬度は下がらないというのです。
この違いがあることから、煮沸すると軟水に変わる炭酸塩からできたイオンで作られている硬水を一時硬水と呼び、この硬度を炭酸塩硬度としました。
一方の煮沸しても軟水にすることのできない、炭酸塩が元になっていないイオンで出来ている硬水を永久硬水と呼び、この硬度を非炭酸塩硬度としました。
水の中には炭酸塩から作られたイオンと、その他の塩から作られたイオンが混ざっているので総硬度は次のようになります。

  総硬度 = 炭酸塩硬度 + 非炭酸塩硬度

この炭酸塩硬度は、軟水にすることができる硬度なので特別だということで KHが指標として作られました。
炭酸塩硬度とは、総硬度のうちカルシウムやマグネシウムが重炭酸イオンと対をなしているであろう仮想塩の量のこと。
水1リットル中にある軟水に変えられるカルシウムとマグネシウムの量。
とされていますが初心者にとっては何のことか解らないのではないでしょうか。
さらに、 KH試薬で測定している炭酸塩硬度の値は、カルシウムとマグネシウムのイオン量を調べたものではありません。
硬度とはプラスのイオンを調べた指標で、カルシウムイオンとマグネシウムイオンがプラスのイオンです。
KH試薬は、炭酸塩の量を調べる試薬です。
炭酸塩はマイナスイオンで、この量を調べたものはアルカリ度を調べたことになります。

KH試薬の使い方は、まず海水を容器にとって最初にA液を入れます。
すると海水は青い色のついた水になります。
この青くなった海水にB液を一滴づつ垂らしていきます。
B液の一滴がドイツ硬度の 1dHです。
何滴か垂らすと青色が黄色に変わります。
この変わったところの滴数が炭酸塩硬度の値ですので測定は簡単です。

総硬度のうち、軟水に変えられる硬度はどれくらいなのかは、マイナスイオンのうちの炭酸塩の量を調べれば解るとして炭酸塩硬度(KH)という名前が付けられました。
でも炭酸塩の量を調べるということはアルカリ成分の量を調べるということになります。
アルカリ成分の多い少ないを示す指標は、アルカリ度(meq/L)というものがあります。
このアルカリ度を調べる方法と KHを調べる方法は全く同じなのです。
KHを調べるということは、実際にはアルカリ度を調べていることで、単位が meq/L でないだけなのです。
炭酸塩硬度(KH)と言わずにドイツアルカリ度とネーミングした方が良いと思うのですが‥‥‥‥
KHは実体としてアルカリ度と同じものなのでアルカリ度に換算することができます。

  KH(dH) = アルカリ度(meq/L) × 2.8

では KHを調べると何が解るのでしょう。
KHが高いから煮沸すればたくさん軟水に変えることが可能で、低ければあまり変えられない。
そんなことを調べても何の役にも立ちません。
KHはアルカリ度を調べているのです。
アルカリ度が高いと pHが下がりにくいのです。
自然界の海の pHは 7.6〜8.3くらいです。
水槽で飼育するときは、狭い環境のため、ちょっとしたことで pHが下がってしまうので少し高めにしておきます。
水槽での適正pHは 8.2〜8.4くらいにしておくのが良いでしょう。
生物がいれば酸素を吸って炭酸ガスを吐いています。
炭酸ガスは水に溶け、水は酸性になっていきますので pHは下がっていきます。
生き物のフン、死骸、食べ残しのえさなどを分解して硝化作用をしてくれるバクテリアがたくさん育っていれば、酸素が使われ H+ が発生し水は酸性になっていきます。
この硝化バクテリアは pHが 4.6以下になると次々と死んでしまい、水槽内の硝化作用は行われなくなってしまいます。
硝化作用が行われなくなれば、水槽内にアンモニアが増えていき生物は生きていけなくなります。
もし水槽内の pHが 4.6以下になってしまったらその水槽は全滅です。
海水魚を飼育していくとき pHが下がらないように管理していくことが重要ですが、KHを適正にしておくと pHが下がることを防げるのです。
pH下降の原因となる酸が発生したとき アルカリ成分があると、酸とアルカリ成分が中和してくれて pHが下がらないのです。
それでも次々酸が発生し続けると、中和のためアルカリ成分はだんだん少なくなっていきます。
アルカリ成分が少なくなってしまうと、少しずつ pHは下がり出します。
そしてアルカリ成分を使いつくすと、中和できなくなるためアッという間に pHはダウンして水槽は全滅してしまうことになります。
アルカリ成分があると pH降下を防いでくれることになります。
このことをアルカリ成分の緩衝作用といいます。
水槽内の狭い環境で生き物が死ぬと pHが急激に下がって危険な状態になるはずですが、アルカリ成分があると緩衝作用で pHを上へ戻してくれます。
KHを定期的に調べていると、水槽が安定状態にあるのか危ない傾向にあるのか知ることができるのです。
炭酸塩硬度試薬海水魚水槽の適正 KHは 8〜12dHです。
これより低い dHになったときは pHを下げている何らかの原因がありますので調べてみることです。
pHの低下を解決する良い方法の一つが水替えです。
水替えをすると炭酸塩が補充されることになりますが、これだけでは酸の発生原因の究明はできていませんので注意が必要です。
飼育にデリケートさを要する生物を飼うときは、pHのダウンに極力注意を払う必要があります。
KHの管理は pHダウンを防ぐ有効な方法ですので、上級者になるためにはマスターする必要があります。






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質問コーナー


1.海水魚を飼育するためには比重計とかアンモニア試薬とかテスターや試薬類を
  最低どのくらいそろえなくてはならないのでしょうか?


2.水槽の状態をつかむため毎週pHチェックしていますが、このチェックはもっと
  短い間隔の方がいいのでしょうか?


3.水槽に油膜がたくさん浮いています。どうやれば油膜を無くすことができる
  のでしょうか?

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