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クーラーの使用について

    どうしてクーラーが必要なのか
    クーラーの選び方
    必要冷却能力の求め方



  どうしてクーラーが必要なのか


私たち人間は、暑いときにクーラーを入れ、寒いときには暖房を入れます。
これは暑いのが嫌い、寒いのが嫌いという問題ではなく、ちょうど良い温度でないと快調に動くことができませんよ!という体からの要求です。
実は、私たち人間は恒温動物と言って、自分の体の体温を一定に保つようにする機能を持っている動物なのです。人間は体温が36℃くらいになるよう、暑ければ汗をかいたりして調節し、寒ければ鳥肌をつくったりして調節しています。
そして、自分の調節だけでは36℃を維持できそうもないと感じたとき、クーラーが欲しくなり、暖房が欲しくなります。このように自分の体を一定の体温に維持させる機能をもった生物は、私たちのような哺乳類と鳥類だけです。
それ以外の魚類とか爬虫類とか昆虫とかバクテリアとかは、全て自分の体温を一定に保とうとする機能を備えてはいません。そのような生物は、外の温度が高くなると体の体温も外の温度と同じように高くなり、低ければ体温も低くなります。
すなわち哺乳類と鳥類以外の生物は、みな変温動物なのです。
では、恒温動物と変温動物があったとして、そこに何の違いがあるのか、どちらが優れているのか考えてみましょう。
濾過方式について”で説明したように、生物というのは酵素の働きで生きているのです。
酵素が、ある物質とある物質を合わせて別の物質に化学変化させる、触媒作用をしてくれているから生きていけるのです。
たとえば、Aという酵素は食べ物という物質と酸素という物質を合わせて、エネルギーという物質に変えて体を動かすことをし、Bという酵素は食べ物と酸素を合わせて、肉という物質に化学変化させて体の一部をつくり、Cという酵素はバイ菌という物質と酸素を合わせて、死んだバイ菌という物質に化学変化させて健康を保っているのです。
実際にはこんなに単純なことではなく、たくさんの酵素が少しずつ変えていって、最終的にそういう結果が得られるということなのですが‥‥‥
すなわち生きているということは、酵素が触媒作用をして、化学変化させているということなのです。
この化学変化が、温度に関係しているのです。
化学変化は温度が高いほど変化するスピードが速いという原則があります。
酵素も化学変化させるものなので、温度が高いほど活発に働きます。
魚などの変温動物は、外気温が体の温度になりますので、冷たい水の中に居れば酵素はあまり化学変化をしません。
水温が高い場合は、酵素が素早く化学変化しますので、魚は活発に泳ぎ回ります。
陸上動物では、冬になると冬眠する動物がいますが、この動物は体温が低くなって酵素が化学反応をしてくれなくなり、動けなくなってしまうのです。
トカゲトカゲや蛇が冬眠から覚めて、太陽を浴びてじっとしているのは、体の温度を上げて酵素が化学変化してくれるのを待っているのです。
人間などの恒温動物は、冬も夏もそれほど違わない動きができるのは、体温が一定なため酵素の化学変化するスピードが変わらないからです。
酵素が活発に働いたほうが良いのなら、なぜ人間の体温は50℃ではなく36℃なのか、60℃、70℃の方がもっと良いのではないのかという疑問が出てきます。
それに対しては、酵素の材料が問題になってくるのです。
酵素というのはタンパク質でつくられています。たまご
解りやすい例で言いますと、卵のような材料でできているのです。
卵は冷蔵庫に入れて保存して、必要なとき出して食べていますが、5℃くらいに冷えていても常温に戻せば、そのまま冷やす前と同じ状態になります。
ところが熱を加えてゆで卵にすると、常温に戻しても元の状態には戻りません。
酵素は常温の卵のように、柔らかい状態でいるときは化学変化させる力を持っているのですが、ゆで卵のように一度固くなってしまうと、化学変化させることができなくなってしまうのです。
酵素が化学変化しなくなった状態は死です。
酵素が行うことのできる化学変化は、温度が低いときにはあまり活発には行われず、温度が高くなるほど活発に行われます。
そして温度が高すぎると急激に化学変化できなくなり、冷やしたとしてももう化学変化は起きなくなります。
多くの酵素が一番よく働いてくれる温度が37℃くらいなのですが、全部同じというわけではありません。
海水魚の場合、水温が25℃くらいのときが酵素がよく働いてくれます。
この温度に安定させておくと魚は調子よく育っていきます。
海水の温度をゆっくり10℃下げてみましょう。水温は15℃です。
魚は動きが遅くなり、あまり動かなくなってしまいます。
逆にゆっくり10℃上げてみましょう。水温は35℃です。
始めは活発に泳ぎだした魚が、そのうち動かなくなってしまいます。
水温をゆっくり25℃に戻してみましょう。
温度を下げた方の魚は元気を取り戻し普通の泳ぎをしています。
温度を上げた方の魚はほとんどが死んでしまいました。
生物にとって温度は下がるより、上がる方が危険なのです。
水槽の中には、魚以外にいろいろな生物が棲んでいます。
魚より熱に弱い生物がほとんどでしょう。
水温が上がると水槽内の生態系が崩れ、次々と病気が発生してしまいます。
このことからクーラーの重要性が解ると思います。
冬から春と順調に飼育できていたように見えていた魚が、毎年夏になると体調を崩していたのはそういうことだったのです。
ごく当たり前のことだったのです。
だから上級者は、必ずと言って良いくらいクーラーを設置しているのです。
でも私の場合は、高額なクーラーを買うことが難しかったことと、24時間クーラーを回しっぱなしにした時の電気代が怖かったので、毎年クーラーを買わずにきてしまいました。
水温を4℃下げるクールファンそのため、私は毎年夏になると温度が上がりにくそうな場所に水槽を移したり、部屋のエアコンをなるべく長く動かしたりして、夏をしのぐ努力をしてきました。
そして我が家に一年以上飼育している魚がいるということは、クーラーがなくて夏を過ごせたということにはなります。
私の場合はライトの位置を水面から離したり、照明は蛍光灯だけにしたり、水槽用扇風機をつけたり苦労していますが、地球温暖化で夏の気温が上がった場合は心配です。
何とか去年まではクーラーなしで夏が越せたというレベルでしょうか。
ではクーラーが必需品だということが解って、クーラーを選ぶとしたときどんなことに注意をしたらよいのでしょうか。

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  クーラーの選び方


 1.適合水槽の大きさだけで選ばない


クーラーを選ぶとき説明書の適合水槽で選びがちですが、これだけで選ぶと能力不足で失敗することがあります。
海水魚飼育の環境により既定の大きさでは水温をあまり下げられない場合があります。
クーラーは水槽の大きさ、濾過槽の大きさ、照明など電気器具の消費量、水槽の設置場所、飼育生物の種類などにより選ぶ能力に差が出てしまいます。
出来れば既定の能力の一つ上のランクを選びたいものです。


 2.能力ギリギリを選択すると電気使用料が上がる


クーラーは稼働時間が長いほど電気使用量は上がります。能力に余裕のあるクーラーの場合は稼働時間が短くなります。
能力ぎりぎりの場合は、長時間働いてようやく温度を下げることができるので稼働時間が長くなってしまいます。
外気温によっては、24時間動きっぱなしにしていても、設定温度にならずに水温が30数度のままということもあります。
この場合は能力いっぱいの稼働を続けますのでクーラーの壊れるのも早くなります。
購入するときの価格だけの比較ではなく、電気使用料のことも考えて能力に余裕のあるものを選んだほうがランニングコストがかからないということになります。


 3.クーラーの作動音


60cmまでの水槽用クーラー水槽が寝室など静かな部屋にあるときは、クーラーの運転音が相当気になることがあります。
クーラーを室外におければ良いのですが、室外用のクーラーになると10万円ぐらい割高になってしまうので室内用にならざるを得ない人がほとんどでしょう。
クーラーの作動音が大きいからといって周りを囲ってしまうことはできません。
通気が悪いと水温はほとんど下がらなくなります。密閉されたキャビネットの中に入れても良くなく、排気熱を外に出すようにしないと冷えてくれません。

 4.適正流量で循環させる必要があります


クーラーのカタログには、適正循環水量(適正ポンプ水量)の値が示されています。
接続する水中ポンプの時間当たり流水量が正しくなければ能力を発揮することはできませんので適合した水中ポンプを使うようにします。

次の式に数字を入れて必要冷却能力(kcal/h)を入れて計算すると適したクーラーを調べることができます。


  必要冷却能力の求め方

   必要冷却能力 = ( A × B / C + D × E ) × F

   A :全水量(L)   冷やさなければならない水の量の合計
            水槽の容積+上部フィルターの容積など水槽と濾過方式の
            組み合わせによりの数字は下表のようになります。
            概算です。
 
水槽の大きさ 上部濾過フィルター 45cm規格濾過槽 60cm規格濾過槽 60×45×50濾過槽 外部フィルター1個 外部フィルター2個
 60cm規格水槽 85L 115L 130L 200L 77L 89L
 60×45×50水槽 155L 205L 185L 270L 131L 143L
 90cm規格水槽 220L 230L 245L 315L 192L 204L
 120cm規格水槽 300L 290L 305L 375L 252L 264L

   B :冷却温度(℃)
            冷却温度 = 室内の最高温度 − 設定温度
                 東京だと35℃ − 普通25℃ = 10
            そのほか設定により 7℃、5℃など
            自動でルームエアコンが24時間働いていて、室温が
            30℃を超えないような部屋は5℃になります。

   C :クーラーの1日の運転時間(h)
            室温が最高の日にクーラーがどれくらいの時間運転するか。
            24h、20h、16h、12h、8hなど
            ルームエアコンを使っている部屋だとクーラーの稼働時間は
            減ります。

   D :消費電力の合計(W)
            水槽周りで使っている電気器具の合計ワット数。
            70w、80w、100w、120w、150w、180w、200w、250w、
            300w、350wなど
            照明器具、揚水ポンプ、殺菌灯、プロテインスキマー、
            エアーポンプなど

   E :カロリー換算係数
            消費電力の合計(w)を kcal/hに換算する係数 = 0.86

   F :余裕率
            つまりなどで流れが自然と悪くなったりするので
            余裕を持たせる。= 1.2
            この数値を式に当てはめれば必要な冷却能力が算出できます。

下表からこの計算で求めた冷却能力を超える能力を持った機種を選べば飼育環境に対して余力を持ったクーラーを選ぶことができます。

<例>
90cm水槽、上部濾過フィルター使用(32w蛍光灯2本)、25wの水陸両用ポンプで循環、25wの殺菌灯使用、室温35℃の日は24時間運転する。設定温度を25℃とした時は

  必要冷却能力={220×10/24+(32×2+25+25)×0.86}×1.2= 227.6

冷却能力が227.6kcal/h以上のクーラーを選べばよいことになります。

冷却能力
kcal/h
メーカー 品番
20kcal テトラ クールボックス CX30
20kcal テトラ クールタワーCR-1new
35kcal テトラ クールタワーCR-2new
50kcal テトラ クールボックスCX60
60kcal テトラ クールタワーCR-3new
78kcal ゼンスイ ZC-100
132kcal ゼンスイ ZC-200
140kcal TECO TC-5
150kcal ジェックス クールウェイ 100
180kcal ゼンスイ ZR-mini
200kcal ニッソー アクアクーラー 20
230kcal ジェックス クールウェイ200
240kcal ゼンスイ ZR-75E
250kcal TECO TC-10
250kcal ゼンスイ ZC-500E
250kcal ニッソー アクアクーラー 40-2
390kcal レイシー LX-120EXA
400kcal レイシー AZ-150X
400kcal ゼンスイ ZR-130E
400kcal ゼンスイ ZC-700E
冷却能力
kcal/h
メーカー 品番
420kcal TECO TC-15
460kcal ゼンスイ ZR-180E
550kcal レイシー LX-180EX
560kcal TECO TC-20
570kcal ゼンスイ ZC-1000E
580kcal ジェックス クールウェイ 400
590kcal レイシー AZ-250X
600kcal ゼンスイ ZR-250
690kcal レイシー RX-300AT
700kcal レイシー LX-250ES
880kcal ゼンスイ ZC-1300E
990kcal レイシー RX-400AT
1000kcal レイシー LX-300ES
1200kcal ゼンスイ KDA500(外置)
1200kcal ゼンスイ 400CLヨコ
2000kcal ゼンスイ ZRW750(外置)
5000kcal ゼンスイ KDA2000(外置)
6300kcal ゼンスイ KDA3000(外置)


























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